令和2年度 第1回 会員・協力者会議開催内容のご報告

兼ねてご案内しておりました表題の件で下記の通り会議を開催しましたので、その概要をご報告します。

日 時 令和2年7月4日(土) 15:30~17:00

場 所 とびうめアリーナ1階会議室

議 事 1.理事長挨拶

    2.令和元年度の報告と反省

    3.令和2年度の事業計画

    4.認知症に関する市民実態調査計画

    5.その他

参加者 正会員5名、賛助会員5名、活動会員1名、非会員1名、計12名参加

(1)森口副理事長による令和元年活動概要報告と令和2年度の活動計画

・特に当NPOでの発足後3年間での市民の参加が700人を超えており、市民の認知症への学習と理解促進に貢献できたと思う。

・過去3年間の活動では、2025年問題や高齢者支援対策、介護保険などをテーマとした各種講演会やセミナー開催、行政出前講座などの開催、介護施設見学会、介護セミナー開催、認知症サポータ養成講座、ケアニン自主映画会開催、先進施設“堤カフェ”見学会などを行ってきた。その他2つの活動も計画したが、事情の変化で中止せざるを得なかった。

・活動の柱の一つであるオレンジカフェ活動の課題としては、スタッフの手薄、地域での認知症対策活動(自治会や行政とのさらなる連携など)との連携、認知症サポータなどとの連携などが考えられ、今後対応していかなければならない。

・カフェの充実策としては、認知症者の参加促進、専門家による相談コーナーの設置などを検討していかねばならない。先進事例「堤カフェ」の見学は大変参考になった。特に相談コーナーを設けていることなど、参考になった

・昨年は中学校区巡回開催を実施したが、これを呼び水として、各自治会の開催が生まれることを期待したい。

・今年度は新型コロナウィルスの件で、活動も縮小をせざるを得ないことも予想されるが、出来る限り頑張っていきたいのでご協力お願いしたい。

(過去の事業活動や本年度の計画については、6・18付けの【活動報告と予定】や過去の記

事を閲覧していただきたい。)

(2)池田理事による認知症に関する市民意識調査の実施と金圓景准教授(明治学院大学)との共同研究活動の概要報告

 ①認知症に関する市民意識調査について

・昨年オレンジカフェを実施したが、今後有効的な活動を企画していくためには、介護・認知症に関して、現在市民がどのように意識し、課題を抱えているのかを理解する必要性を感じた。

・特に地域包括ケアシステムの目的である、住み慣れた地域で暮らし続けるための実現性における課題や問題点および対応策を明確にしていきたい。

・調査対象者は高齢者100人を有効回収票とする。調査員は当NPOの会員の皆様にお願いしたい。その他社協や自治会のご協力をお願いしたい。

②金准教授(明治学院大学)との共同研究

・厚労省が提唱している「認知症ケアに関する意思決定支援プログラム」が研究テーマである。2000年施行の成年後見人制度の課題に対応したプログラムの研究を行うものであり、国の補助金の付いた研究である。

・金准教授は、3月まで筑紫女学園大学の先生であり、同大学の山崎教授とともに、当NPOを当初より支援・指導していただいてきた。従って、今回研究についても、当NPOと一緒に行いたいという申し出であった。活動内容案は以下の通りである。

(1)当NPO会員(5名程度)に対する個人インタビュ及びグループインタビュー

・NPO活動を通して、介護者への必要と思われる支援内容や認知症者の意思決定に必要な

支援内容について、意見や考えを集め(2)活動の参考資料とする。

(2)地域住民向け講座の実施(市民30名程度の参加希望)

・一般市民に対して、11月と12月に認知症ケアに関する意思決定に関するシステムの紹介や現状と課題などについて講義を行うとともに、意思決定に関する模擬活動(もしバナゲームや人生会議)のゲームも行う。

・認知症は市民の高齢化とともに拡大の傾向にあり、当NPOとしても効果的な活動を行うために上記2つの調査の実施・協力を決定した。

【質疑応答について】

●A氏賛助会員より

・市民意識調査に関して、対象者に認知症者を意識していないのかという質問をいただいた。貴重なご意見であるが、認知症者を探すには大変困難な作業を伴うし、探し当てたとしても、相手が協力していただけるかは疑問である(行政にはリストらしきものがあると聞くが当然公表はしていない)。従って対象者の家族にその方がおられた場合は、質問をし、状況を確認するという工夫をしている。

・金准教授との共同研究に当たって、後見制度についての、現場からの実情と課題を詳しくご報告いただいた。大変参考になるご指摘であり、出来る限り大勢の方にも理解して欲しい内容でもあるので、今後お話いただける機会を是非設けたい。

●B氏非会員より

・非会員ではあるが、ご参加いただいたことは大変嬉しいことであった。S氏よりは、オレ

ンジカフェ活動について大変関心があったが、参加者の中に認知症者が見当たらなかった。オレンジカフェと言えば、認知症者対象というイメージがあったが。というご意見をいただいた。

・大変貴重なご意見であり、当オレンジカフェの究極の目的もそこにあるが、まだ時間がかかるであろう。まだ初めて2年目であり、現状では厚労省がNPOやボランティア活動に期待している認知症予防対策に焦点を絞り活動を行うが、認知症者の参加も意識し、専門家の支援なども検討していきたいと考えている。

・第1回目の実施の際、要介護1の認知症の方が参加されていたが、他の人たちが普通の高齢者であり、今後は参加を控えるということであった。両者が同席しての実施はなにかと問題ありという経験をした。今後両者が成立する内容の検討もしていかなければならないと反省した。

●C会員より

・当オレンジカフェの参加者について、認知症者を想定するということは、大変難しい問題である。スタッフでも認知症に関する知識はあるが、実際認知症者が参加された場合、それに応えるべき技術も経験もまだないはずだ。認知症の方を対象とする場合、今までのやり方を根本的に変えていかねばならない、というご意見もいただいた。

1時間30分を予定していたが、時間を少しオーバーしてしまった。他にご意見のある方の

時間が取れませんでした。ご意見のある方は、是非下記の連絡先まで、お寄せ下さい。

電話・FAX 092-928-1395(副理事長 森口宅)

メール humanspace0120@gmail.som(同)